ハシゴを上ると、雨戸や使わなくなった家電類が置かれた小さなスペースがあり、さらにその先にもう1つ空間が現れた。しかし、そこにはほとんどモノが置かれていない。そもそも、ここまでモノを持って入ることができないのだろう。

「これまで何百軒もの実家じまいの現場を片付けてきましたが、屋根裏はほぼ間違いなく有効活用できません。モノを上げるだけで大変ですし、1年に1回来るか来ないかの『必要なとき』にモノを上から下ろすのも大変です。女性の1人暮らしならなおさら。一番のデッドスペースと言ってもいいでしょう」

「かもしれない」が“モノ屋敷”を生む
イーブイが実家じまいの現場に入った際、屋根裏にあるモノはほとんどのケースで全処分することになるそうだ。住人も「屋根裏のモノはすべて捨てていいので」と仕分けすらしないことが多いという。置いてあるのは大体、動かなくなったオイルヒーターに扇風機、子どものスキー用品など、とっくに使わなくなったモノばかりだ。


それと同じ理由で、ロフトも使い道がない。大体、段ボール箱や季節の違う服の置き場所になって、上に上がることはほとんどない。加えて、「床下収納」と「納屋」と「ベランダに設置した物置」もデッドスペースだと二見氏は話す。
「売れるかもしれない。使うかもしれない。そういうモノがどんどんデッドスペースへと押し込まれていき、モノ屋敷と化していくんです」
「かもしれない」と思ったモノは、「不用品かもしれない」のではなく、「不用品」と捉えるのがよさそうだ。


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