隣人トラブル、孤独死、空き家の増加など、家にまつわる問題点は挙げればキリがないが、とりわけ「ゴミ屋敷」に住む人たちの悩みは深刻だ。なぜならゴミ屋敷は周りとのトラブルを生み、住人を孤独にし、空き家になれば負の遺産となり、多くの問題が1つに集約されている存在だからだ。
周囲の人々は目を背け、隣人は頭を抱え、大家は「できることなら出て行ってほしい」と思うかもしれない。本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片づけの先に見い出した“希望”に焦点をあてたルポを配信する。
第1回は、本連載で取り上げるさまざまなケースを見てきた当事者であり、ゴミ屋敷・不用品回収の専門業者「イーブイ」(大阪府)を営み、YouTube「イーブイ片付けチャンネル」で多くの事例を配信する二見文直社長にインタビュー。ゴミ屋敷にまつわる「本当の問題」を指摘する。
ゴミ屋敷の住人は「だらしなくない」
「どうしても片付けられない……」
そう悩み、イーブイに片付けを依頼してくる人たちの中には、一見、とてもゴミ屋敷に住んでいそうには見えないビジネスパーソンや今どきの女性たちも多い。彼らは好きで散らかしているのではなく、また、その現状をいいとも思っていない。そして誰にも相談できずに溜め込んでしまう。相当な高いハードルを超えて、二見さんのもとへ依頼してくるのだ。
「業者に頼むことすらおっくうだったり、他人に散らかった部屋を見せることが恥ずかしかったり、お客さんはそういう気持ちが強いんですよ。だから、片付けが始まったときはボソボソと小さい声で話す人が多いんですけど、いざ終わったらスッキリした表情で声もめっちゃ明るくなるんです」
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