
NEC本社オフィス。伝統的企業も変わり始めた(写真:NEC)
仕事量と責任は激増、なのに賃金上昇は限定的。管理職の仕事の“罰ゲーム化”が深刻になっている。本特集では、そのわなから抜け出すためにできることを徹底解説する。
新卒5年目の若手から定年の迫るベテランまで──。国内SIer(システムインテグレーター)大手のNECは、社員の職務(ジョブ)内容に応じて採用や評価を行う「ジョブ型」の雇用制度の本格的な導入を背景に、管理職登用の幅が広がってきている。
NECではかつて注力したハードウェア関連事業が縮小し、足元ではシステム開発やDX導入を担うITサービス事業が成長領域だ。
事業環境が変化しやすいITサービス領域では、組織として戦略実行を迅速化することが重要性を増している。人材流動化が進み、アクセンチュアをはじめとする外資系企業と競合することなどからIT人材の獲得競争も激しさを増す。
「役職定年制度」を廃止
NECは業界動向なども踏まえ、2018年度以降、採用後に職務を割り当てる従来のメンバーシップ型制度の見直しを進めた。社員の成果を多面的に評価してフィードバックを徹底する評価制度改革を推進。経験者採用も強化し、ジョブ型への移行に向けたさまざまな改革を行った。足元の採用では経験者が新卒と同規模になっている。
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