
北方華創科技集団(NAURA)はさまざまな製造装置を手がける総合メーカーだ(写真:筆者撮影)
中国の半導体製造装置メーカーの実力が世界で注目を浴びている。
ハイテク覇権を争うアメリカ政府が製造装置の対中輸出規制を強める中、中国共産党・政府が目指す半導体チップの自給率向上には地元メーカーの成長が欠かせない。本稿では中国の産業調査会社MIRの最新データを基に、その実力を検証した。
半導体チップは一般に、IC(集積回路)が微細であればあるほど演算速度が上がり、記憶容量も大きくなる。このため、素材のシリコンウェハー上に回路を形成する「前工程」の製造装置の実力は、その国の半導体産業全体の実力を大きく左右する。下図は中国の前工程装置市場の規模を示したグラフだ。

市場規模は右肩上がりで拡大している。共産党・政府が半導体専門の政府系ファンドを設立したことを背景に、中国最大の半導体メーカーである中芯国際集成電路製造(SMIC)などが旺盛な設備投資を続けているためだ。
MIRによると、中国の前工程装置市場における国産化率は2024年時点で約25%だった(販売額ベース)。
中国勢のシェアが急拡大
ただ、前工程装置にもさまざまな製品分野がある。分野別の国産化率をまとめたのが下図だ。
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