2024年の半導体業界はエヌビディア(NVIDIA)に始まりエヌビディアで終わったような年だった。2025年もエヌビディア製品を使用した生成AI用や深層学習用を含むデータセンター向けの投資は、引き続き半導体業界を牽引していくだろう。
一方でインテルやサムスン電子の低迷など気になる動きもある。今回は大胆に10年後の2035年の半導体市場を筆者の独断と偏見で予想してみたい。
2030年に半導体市場の規模は150兆円超
まず経済産業省の資料をもとに今後の方向性を確認したい。同省が2023年6月に公表した「半導体・デジタル産業戦略」の中では、調査会社の予測をもとに2030年の半導体世界需要は150兆円を超えると予想している(2023年は同90兆円)。1兆米ドルという大台超えが業界のコンセンサスだ。
半導体の種類はロジック、メモリ、アナログ、パワー、その他に大別されるがそれぞれの需要は右肩上がりに成長すると予測されている。メモリは倍増の44兆円、パワー半導体も倍増の11.6兆円と予測されている。これらの市場成長を経産省も認識しており、経済安保上の重要課題でもあり半導体国内生産を支援する施策を行っている。(経産省の施策詳細は、「巨額の半導体支援を『デジタル田園都市』から解く」をご覧いただきたい。)
次に図1の世界半導体企業売上高ランキング予想を見てほしい。2024年に初めて売上高トップになったエヌビディアは10年後もダントツのトップを継続しているだろう。同社が開発したソフトウェアプラットフォームのCUDA(Compute Unified Device Architecture)の強さは2035年も継続しているはずだ。
一方で、アマゾンやマイクロソフトなども自社向けに特化した半導体デバイスとソフトウェアプラットフォームを立ち上げていく。これからはエヌビディアのCUDAの勢いが鈍化するかもしれない。
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