24年に市況は反発「半導体マネー」に沸く世界の今 インドまで参入、官民入り乱れた投資合戦に
昨年来悪化していた半導体市況は早くも底打ちした。今、世界規模で起きているのが官民入り乱れた半導体工場の投資合戦だ。『週刊東洋経済』の10月2日発売号(10月7日号)の特集は「半導体 止まらぬ熱狂」。熱狂する半導体業界を取材した。日本でも、この局面を最大のチャンスと捉え、矢継ぎ早に戦略が打ち出されている。「産業のコメ」から「戦略物資」と化した半導体の今に迫った。
北海道千歳市。新千歳空港から車で10分ほどの場所に、広大な原野が広がっていた。
強い雨が降りしきる9月1日の午後、その一角に設置された仮設テントの中には、西村康稔経済産業相や、国内外の半導体関連企業の首脳らが居並んでいた。
この日行われていたのは、国策半導体会社・ラピダスの千歳工場起工式。十数台のクレーンが立ち並ぶだけのこの何もない大地に、2025年初めには巨大な半導体工場が出来上がる予定だ。
ラピダスがこの地での生産を目指すのは、次世代の最先端半導体。「2ナノ」世代の半導体の量産だ。設立から1年余りのこの会社に、政府はすでに3300億円の助成を行うと決めた。
ただ、量産までには5兆円の投資が必要ともいわれ、半導体政策を主導する経産省情報産業課の金指壽(かなざしひさし)氏は「支援はこれで十分とは思っていない。今後も必要な予算を取っていきたい」と意気込む。
半導体投資に沸く日本列島
ラピダスだけではない。今、日本列島中が半導体工場の新設ラッシュに沸いている。
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