2026年2月28日、アメリカ・イスラエル連合軍の空爆により殺害された最高指導者アリ・ハメネイ師(1939~2026年)。死去した時点において在任期間37年という、中東諸国の中で現職の(実質的)国家元首としては最も長い在任期間を誇っていた。
86歳のアリ・ハメネイ師の後継者には、執筆時点では5名の候補者に絞られ、その中で最も有力視されているのがハメネイ師の次男モジタバ氏(56歳)だ。
発表はもうすぐ、もうすぐ、と言われながら、同時にモジタバ氏が確実と言われながらも、本稿執筆時点ではまだ正式発表が行われていない。
遺恨を残したハメネイ師殺害
連合軍の「斬首作戦」は成功したが、ハメネイ師というのはイランのみならず、世界のシーア派にとって宗教的象徴であった。カトリックで言えばローマ教皇を殺害したのと同じぐらいの重みがある。
1979年のイラン革命前、イラクの独裁者サダムにとってもイランのパーレビ国王にとっても、イラクやパリに亡命中のルーハッラ・ホメイニ師(1902~89年)はたいへん不都合な存在だった。だが殺害した場合の余波が恐ろしすぎて、誰も手出しができなかった。
シーア派信者たちにとってのハメネイ師も、その前任者のホメイニ師も、預言者ムハンマドの末裔の特殊な無謬の血が流れる特別な「お方」だ。そのような血統の人でないと着用が許されない黒いターバンを頭に巻いていて、「セイイド」という称号で呼ばれ尊ばれている。
ホメイニ師の名前に付く「ルーハッラ」とは、「アッラーの精神」「アッラーの息吹」という意味だ。イスラムの教えではないが、日本人の感覚なら“生き神”のように崇められていた。ハメネイ師はそんな方の後継者だったのだ。






















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