イラン体制崩壊で核兵器がテロリストに拡散する?/アメリカはイラクやリビアで起きたことから何も学んでいない
イランを攻撃したアメリカとイスラエルに批判的な人々は、「トランプ大統領には今後の計画がない」と指摘する。それは間違いではない。トランプはさまざまな戦争を1日で終わらせられると豪語してきたが、自身のアテンションスパン(集中力が続く時間)の短さを露呈するだけに終わっている。
だが、本当の問題は、トランプの気まぐれにあるのではない。脅威に対する理解の浅さこそが問題だ。
トランプのイラン爆撃は伝統的な意味での戦略に基づくものではないが、ある明確な前提に基づいている。「イランの体制はアメリカの安全保障の脅威となっている、よって体制を破壊すれば脅威はなくなる」というものだ。
かつてアメリカをイラクやリビアでの戦争に駆り立てたのと同じ発想である。そうした前提は当時も間違っていたが、今回はとてつもない間違いであることが明らかになるだろう。
圧倒的な軍事力でも、お寒い危機管理能力
アメリカは、空からの攻撃で国家の中央権力を破壊する比類なき能力を有している。だが、その後の状況の管理に関しては、破壊力に匹敵する能力は有していない。
権力の空白はミサイルによる精密攻撃や衛星画像で追跡できるようなものではなく、ゆえにアメリカの戦略思考は、自らがもたらす脅威を過小評価しているといえる。
アメリカで繰り返されているのは、軍事力では対処できない脅威を軽んじるという認知バイアスだ。最も深刻かつ長期にわたる脅威は、中央の権力が崩壊した後に浮かび上がってくることが多い。管理体制が崩れ、兵器が拡散するためだ。























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