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地上軍投入も排除しない――トランプが示す対イラン『数週間戦争』、元NSA長官が語る終結シナリオ

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イランの首都、テヘランの様子。2月28日のアメリカ・イスラエルによる攻撃により、イラン側の死者は1000人を超えた(写真:The New York Times)

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アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃から約1週間。イランの最高指導者ハメネイ師殺害後、次期最高指導者に強硬派として知られる同氏の次男が浮上するなど、アメリカ・イスラエルが狙う体制転換には暗雲が漂っている。
アメリカによる地上軍投入も選択肢となる中、軍事衝突の行方はどうなるのか。ブランズウィック・グループのシニア・アドバイザーで、国家安全保障局(NSA)長官と米サイバー軍司令官を歴任したマイケル・ロジャース氏に聞いた。

――アメリカとイランの当局者は、2月26日にイランの核計画をめぐる間接協議を行っていました。その2日後にアメリカとイスラエルはなぜ、イランへの攻撃に踏み切ったのでしょうか?

これはイランの体制弱体化と核・ミサイル開発能力の根本的な破壊を目的とした、数週間に及ぶ組織的なキャンペーンだ。トランプ政権は、核濃縮問題をめぐる外交交渉が停滞し、イラン側に実質的な譲歩の意思がないと判断した結果、軍事力による圧力行使に踏み切った。

核交渉の対立点は、ウラン濃縮の権利にあった。イランは民生用エネルギープログラムのために、国内でのウラン濃縮が必要であると主張した。アメリカは濃縮ウランを外部から供給する代替案を提示したが、イラン側はこれを拒絶した。

アメリカとしては兵器転用が可能な85〜90%の濃縮を可能にする国内プログラムの維持は受け入れがたく、交渉は単なる時間稼ぎであると結論づけた。

アメリカとイスラエルの狙い

――軍事介入に否定的なアメリカ国内の世論には、イスラエルのネタニヤフ首相がトランプ大統領に強く働きかけたため、アメリカがイスラエルに押されて戦争を始めたという見方もあります。

今回の行動は、アメリカとイスラエルの合同軍事作戦だ。われわれはイランの指導部に対する物理的な攻撃、核開発インフラや長距離ミサイル能力の破壊、そして海軍を含む軍事力の大幅な削減という共通の目的を持っている。

両国は単に同時に動いているわけではなく、攻撃目標や戦術について直接的な調整を行っている。例えば両国の航空機やミサイルがイラン上空に展開している間、両軍は互いに支援し合いながら作戦を遂行している。

攻撃面だけでなく、アメリカはイスラエルの領空や市民を守るための防衛能力も提供し、イスラエルをサポートしている。これにより、イラン体制の支配力を弱め、将来的にイスラエルやアメリカ、または地域周辺に対して攻撃を行う能力や代理勢力を支援する能力を削ぐことができる。

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