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ホルムズ海峡の封鎖でエネルギー供給はどうなる? 日本エネルギー経済研究所の小山堅専務理事が語る、危機の実相と日本の対応策

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ペルシャ湾とオマーン湾の間にあるホルムズ海峡は、アラビア半島からインド洋へと原油や液化天然ガスを輸送する際の要衝となっている(写真:ロイター/アフロ)

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イスラエルおよびアメリカによるイランへの先制攻撃に端を発した中東での戦争は、イランがホルムズ海峡の封鎖を試みる深刻な事態に発展した。原油や液化天然ガス(LNG)など世界のエネルギー供給のチョークポイントと言われる同海峡の封鎖は、どれほど深刻で、いかなる意味を持つのか。また、日本はどう対処すべきなのか。日本エネルギー経済研究所の小山堅専務理事にインタビューした。

──イランはついにホルムズ海峡の封鎖に向けた動きを示しています。

ホルムズ海峡がエネルギー輸送におけるチョークポイントであることは長年にわたって指摘されてきた。しかし、現実にその通航が本格的に遮断される事態は一度もなかった。湾岸ではこれまでさまざまな戦争や紛争が繰り返されてきたが、実質的に封鎖が本格的に発生したことはなかった。

イラン情勢が緊張するたびに海峡封鎖が話題となったが、封鎖の場合のエネルギー供給への影響が大きすぎるため、アメリカによる本格的な軍事介入を招く可能性が慎重に考慮されたことがその理由だ。

しかし今回、イランは、体制転覆まで視野に入れたアメリカとイスラエルの攻撃を受け、「捨て身の反撃」を迫られるほどになっているのではないか。今後、事態がどのように展開していくか、予測することは難しい。

ホルムズ海峡封鎖のインパクト

──ホルムズ海峡の持つ重要性や、封鎖のもたらすインパクトは。

ホルムズ海峡を経由して世界に運ばれている原油やLNGの量は圧倒的に大きい。これが今回の問題の核心だ。原油については1日当たり2000万バレルと世界の1日あたり生産量の約2割、LNGについても世界の年間貿易量の約2割に相当する約8000万トンがホルムズ海峡を経由して世界に運ばれている。

万が一にも封鎖が長引くと、代替調達先の確保はきわめて難しくなる。原油については、サウジアラビアを中心に、ペルシャ湾岸産油国は余剰生産能力を有している。しかし、その数量はホルムズ海峡の通行量よりはるかに小さいうえ、そもそもその能力はペルシャ湾の内側にあるため、海峡の通行ができないとなると意味をなさない。

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