イラン紛争発インフレが日本を襲う最悪シナリオ/欧米が利上げに回帰しても取り残される日本に待ち受けること

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アメリカとイスラエルのイラン攻撃を受け、すでに世界的にガソリン価格は上昇を始めている(写真はカナダのガソリンスタンド)(写真:Bloomberg)

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アメリカとイスラエルから空爆を受けたイランの革命防衛隊が、ホルムズ海峡を封鎖した。ペルシャ湾とオマーン湾を貫くホルムズ海峡は交通の要衝であり、湾岸諸国で産出される石油やガスのかなりの部分がこの海峡を通過して世界に供給される。

そのため、この海峡を封鎖し、船舶が航行できなくなれば、世界的なエネルギーショックが生じる。

イランは、ホルムズ海峡を航行する船舶の無差別攻撃を行う。そのため、船舶はこれを回避せざるをえず、結果として湾岸諸国で産出される石油やガスの世界経済への供給が滞る。そして、各国のエネルギー価格が上昇することから、アメリカとイスラエルに対する非難が高まる。

つまるところ、ホルムズ海峡の封鎖の狙いは、世界を巻き込むかたちでアメリカとイスラエルに圧力をかけることにある。

国際世論を喚起すると言えば聞こえはいいが、世界のエネルギー価格の急騰につながる戦術であるため、イランのほうがむしろ大きな傷を負う可能性がある。現に、ただでさえ悪かった他の湾岸諸国との関係は一段と溝を深めている。

海峡封鎖と中国との関係は?

それに、湾岸諸国から多くの石油やガスを輸入するとともに、自身にとっても最大の顧客である中国との関係が冷え込む可能性も指摘される。

イランもロシアと同様、主要国から経済・金融制裁を科されており、主要な輸出品である原油も国際原油市場から締め出されている。そのイラン産原油を輸入しているのが制裁に参加していない中国だ。

欧州を中心にロシア、トルコ、新興国のマクロ経済、経済政策、政治情勢などについて調査・研究を行うエコノミストによるリポート

イランがホルムズ海峡を長期にわたって封鎖し、エネルギー高を定着させることは、中国にとっても容認できない。怒り心頭となった中国がイラン産原油の輸入を拒絶すれば、イラン経済は立ちゆかなくなる。政治的にも経済的にも四面楚歌であるイランが、長期にわたりホルムズ海峡を封鎖する体力など持ちえていないと判断される。

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