欧州は自国で「中国企業の合弁」を義務化すべきだ/中国に技術と利益を差し出させる地経学的戦術
過去何十年と、ドイツの貿易黒字は中国の工業化に貢献してきた。急成長する中国経済はドイツの輸出品(主に資本財)を大量に飲み込み、ドイツ経済の成長率を押し上げてもいた。
ところが近年では、電気自動車(EV)をはじめとする先端的な工業製品の世界市場で中国は一段とシェアを奪い取るようになっている。
2020年以降、ドイツではこうした変化の影響が顕在化。増大する中国の圧力に、自動車や機械装置といったセクターの存続を脅かされるようになった。
長きにわたってドイツ経済の背骨を形成し、輸出主導型経済モデルのエンジンでもあったセクターが存亡の危機に立たされているのである。
トランプ関税で中国の脅威が加速
この「チャイナショック」に拍車をかけているのがアメリカの保護主義的な貿易政策だ。中国がその対策として欧州に一段と多くの輸出品を振り向けた結果、中国の対アメリカ輸出は昨年、約20%減少した一方で、対欧州輸出は8%以上増加した。
「ドイツはそのうち中国に輸出するものがなくなるのでは」といった論評が見られるようになったのも不思議ではない。
経済専門家なら「輸出するものがなくなる」という見方には拒絶反応を示すだろう。比較優位説の下では、賃金と相対価格は自動的に調整され、どの国にも何らかの得意分野が残るという理屈になるからだ。
仮に中国が全分野でドイツを打ち負かすとしたらどうなるか。その場合には、ドイツの産業競争力が少なくとも部分的に復元するレベルまで中国の賃金と為替レートは上昇する。






















無料会員登録はこちら
ログインはこちら