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中国はまねできず「古野電気」に世界の船が頼る訳とは?、世界シェア4割を誇る船のレーダーを「売った後」にこそ稼ぐ圧倒的な仕組み

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舶用用のレーダーで古野電気は世界シェア4割強を誇る(写真:古野電気)
かつて世界一だった日本の造船業。その復活に向け、政府や業界が動きを活発化させている。船の建造では中国、韓国に追い抜かれたが、船に欠かせない機器では今なお、日本企業が圧倒的な強さを誇る分野が少なくない。

世界の港を巡る外航商船は、レーダーが故障すれば出港できない。1日の遅れは即、億円単位の損失につながる。そんな極限の現場で「すぐに名前が挙がる」といわれる日本企業がある。舶用電子機器メーカーの古野電気だ。商船向けレーダーでの世界シェアは4割強。漁船向け電子機器では5割を握る。

長期の売り上げ・利益目標を5年前倒しで達成

足元、造船業界の世界的な活況を背景に、同社の業績は伸びている。売上高は長らく800億円規模で推移してきたが、直近数年で1200億円水準まで急拡大した。2018年策定の長期ビジョン「NAVI NEXT 2030」で掲げた、「売上高1200億円、営業利益率10%」という長期目標も、25年2月期に6年前倒しで達成してしまった。26年2月期はさらに一段上の売上高1375億円、営業利益160億円を見込む。株価はこの3年で7倍以上に上がっている。

売り上げの大半を占める船舶向け事業は、商船、漁船、プレジャーボートの3領域に大別される。中でも商船分野が収益の柱だ。目下、GHG(温室効果ガス)排出削減のための代替燃料船の需要も追い風となり、造船会社の手持ち工事量(受注残)は積み上がっている。その影響で古野電気のレーダーや電子海図情報表示システム、衛星通信装置も着実に売れている。

ただ同社の強さの核心は市況要因ではなく、むしろ「売った後」にこそある。その源流は終戦直後にまでさかのぼる。

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