養命酒製造が「村上系」投資会社のTOBを経て事実上の解体へ/かつての筆頭株主「大正製薬」のある行動が引き金に
アクティビストとして知られる村上世彰氏らが関わる投資会社・レノが2月25日、養命酒製造へのTOB(株式公開買い付け)を開始した。
TOB開始前の段階で、養命酒製造の議決権総数の3分の1を保有していたのは投資会社の湯沢と、村上氏の娘婿である野村幸弘氏だ。レノは残り3分の2をTOBする。TOBで取得できなければ、その後の臨時株主総会での決議を経て、TOBに応募しなかった株主から強制取得する計画だ。
TOB成立の下限条件はわずか13.67%。養命酒製造の過去の定時総会の議決権行使率などから最低限必要な株数に絞った。上位株主の三菱UFJ信託銀行や八十二長野銀行などとは応募契約を結び、事前に14.63%分を固めている。契約が破棄されない限り、TOB成立は実施前から約束されている。
レノが買い付けた株式は湯沢が全株を取得し、養命酒製造を100%支配する。その後、湯沢は養命酒製造株を漢方薬最大手のツムラに68億円で売却する。なお養命酒製造はTOBに賛同の意見を表明している。
金になる資産は湯沢、中核事業はツムラに
湯沢は養命酒製造との間で、現預金や有価証券などの金融資産357億円と有形固定資産36億7800万円(2025年3月末時点の簿価ベース)の「非事業性資産」を養命酒製造から切り離し、湯沢の手元に残すことで合意している。
有形固定資産には、渋谷区南平台の国道246号線沿いにある11階建て本社ビル、埼玉県鶴ヶ島市の太陽光発電所などが含まれる。
ツムラは、養命酒、養命酒の原料である生薬を使った酒類、食品の各製造事業を引き受ける。しかし、小売りや体験型施設運営の「くらすわ」事業は引き受けない。長野県諏訪市内や都内の計7店舗は売却先を探す。買い手が見つからなかった場合にどうするかはまだ決まっていない。
長野県駒ヶ根市にある体験型施設「くらすわの森」の中心部にある駒ヶ根工場は、養命酒の生産拠点なので切り離さない。ただ、46万㎡の広大な敷地内には工場以外に8つの飲食店やショップのほか、図書館やスライダーなどの体験型施設がある。養命酒製造は、これらを「第三者への譲渡対象とはしない」としながらも、具体的にどうするのかは未定としている。
もっとも、ツムラがくらすわ事業は引き受けないと断言している以上、これらを閉鎖、場合によっては撤去して、工場と46万㎡の敷地だけとなった状態でツムラ傘下に入る可能性が高い。





















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