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米国では造れず、日本では造れる――。経済安保の最前線「艦艇」が映し出すニッポン造船業の真価、限界、市場拡大の可能性

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日本政府は造船業復興と防衛産業の強化を掲げている。日本勢は艦艇の建造で稼げるか(写真: Miffysnoop/Getty Images)

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アメリカで軍艦の建造費高騰、人材不足、計画中止が相次ぐ中、日本の造船業はなぜ踏みとどまっているのか。防衛省・自衛隊の「艦艇」を軸に、日本造船業の実力と限界、成長可能性を元防衛装備庁長官の土本英樹氏が検証する。

経済安全保障強化の一環として「造船業再生」が位置づけられ、官民で1兆円規模の基金が設立されることになった。それと並行して、政府は国内の防衛産業の強化も掲げている。「造船」と「防衛」――この両方の枠組みが交差するのが、防衛省・自衛隊の「艦艇」の建造や維持整備だ。本稿ではこの「艦艇」にフォーカスし、日本の造船業の現状と将来性を展望したい。

自衛隊艦艇はすべて国産、再編された造り手

そもそもわが国の造船業は、経済安全保障を支えるだけでなく、海上警備や国防の基盤を担っている。自衛隊が保有する艦艇は基本的にすべて国産だ。例えばイージス艦も、搭載するシステムやレーダーこそ米国製だが、艦艇そのものは三菱重工業をはじめとする日本企業が建造している。防衛省が「令和8年度予算」までの5年間で調達した潜水艦を含む主要艦艇は計20隻(総額約2兆円)に上る。

ただし、プレーヤーは決して多くはない。1990年代までは建造可能な企業が10社近く存在したが、以降は各社の造船部門の規模が徐々に縮小。それに伴う業界再編を経て、現在は艦種ごとにすみ分ける形で以下の3社(グループ)に集約されている。三菱重工(護衛艦、潜水艦、補助艦艇など)、ジャパン マリンユナイテッド(護衛艦、掃海艦、補助艦艇など)、川崎重工業(潜水艦)――という具合だ。

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