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″男女で大きな違い" 病気の頻度や症状、クスリの効き目/性差医療が必要な納得の理由 

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同じ病気であっても、発症頻度や症状は性別によって違う (写真:polkadot/PIXTA)
科学や科学技術は、その時々の社会や政治、経済の影響を直接受けることもあれば、社会に変革(時には事件や事故)をもたらすこともある。本連載では、そのリアルな姿を通して今の時代を読み解いていく。

「性差医学」や「性差医療」を推進する国内の取り組みが本格化しつつある。

性差医療とは、生物学的、あるいは社会的・文化的な男女の違いをよく考慮して診断や治療、予防を行うことだ。また、その違いを科学的に解明する研究を性差医学という。

本連載では、科学や科学技術のリアルな姿を通して今の時代を読み解いていく。連載の記事一覧はこちら

対象は女性特有、あるいは男性特有の病気やヘルスケアだけではない。男女共通に起こる病気でも、性別やライフステージに伴う性ホルモン分泌の変動によって、発症頻度や症状、薬の効き方に違いがあることがわかってきた。

ところが婦人科や生殖医療は別として、従来の医学や医療では性差が十分に考慮されてこなかった。その影響は、とくに女性の健康上の問題として表れることが多い。

世界経済フォーラム保健医療センターとコンサルティング会社マッキンゼーのシンクタンクは2024年に発表した報告書で、女性は平均して男性より25%長い時間を「不健康な状態」で過ごすという分析を示した。

そのうえで、こうした健康格差を解消すれば、女性の健康と生活を改善するだけでなく、40年までに世界経済を少なくとも年間1兆ドル押し上げる可能性があると推計した。

経済産業省も24年、女性特有の健康課題による国内の経済損失は年間3.4兆円に上ると試算している。課題の内訳で最も規模が大きいのは更年期症状で、1.9兆円だという。

病気によっては発症率が男女で2倍以上の違い

男女で人口10万人当たりの患者数に、ほぼ2倍かそれ以上の差がある病気は少なくない。例を挙げると、胃がんや痛風、十二指腸潰瘍、急性心筋梗塞は男性に、アルツハイマー病や高脂血症、くも膜出血、慢性関節リウマチ、白内障は女性に多い。

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