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エプスタイン元被告との交流の何が問題だったのか、伊藤穣一氏が問われている倫理

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米MITのメディアラボ所長を務めていた2018年当時の伊藤穣一氏 (撮影:尾形文繁)
科学や科学技術は、その時々の社会や政治、経済の影響を直接受けることもあれば、社会に変革(時には事件や事故)をもたらすこともある。本連載では、そのリアルな姿を通して今の時代を読み解いていく。

未成年者への性的人身売買などの罪で2019年に起訴され、同年拘置所内で死亡した米国の富豪ジェフリー・エプスタイン元被告が、多くの著名な科学者や学術関係者と交流していたことが明らかになり、世界のアカデミア(学術界)を揺るがしている。

本連載では、科学や科学技術のリアルな姿を通して今の時代を読み解いていく。連載の記事一覧はこちら

深い交流があった1人が、米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの元所長で、千葉工業大学学長の伊藤穣一氏だ。

元被告は08年にも少女への売春あっせんで有罪判決を受け、公開の性犯罪者データベースにも登録されていた。しかし、伊藤氏は13年から約11年間にわたり元被告との交流を続け、メディアラボと自身の投資ファンドの両方に元被告から多額の投資を受けていたことから、批判を受けて19年9月に所長を辞任した。

26年1月に米司法省が新たに公開した膨大な捜査資料、通称「エプスタイン文書」によって、伊藤氏が元被告と共同で投資会社を設立し、ビットコイン企業に投資していたことが新たに判明したと、海外の複数のメディアが報じている。元被告が所有する島に訪問していたことも、写真を含む資料で裏付けられた。

元被告との親密な関係がこれまで以上に明らかになった影響は大きく、世界最大級のサイバーセキュリティ・カンファレンス「DEF CON(デフコン)」は2月、伊藤氏を含む3人を参加禁止リストに追加した。

伊藤氏自身も3月3日、個人ブログに載せた声明で、3月末でデジタル庁の有識者委員など複数の要職を退く意向を示した。

千葉工大の学長は続投の意向

声明には、元被告との交流が退任の理由だとは書かれているわけではない。代わりにあるのは、MIT時代に元被告からの寄付を受け入れたのは、上級管理職の承認を得たうえでしたことであり、6年前にMITが公表した調査報告でも法律や規則に違反する行為はなかったことが確認された――といった釈明だ。

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