本来の価値が毀損されている
──本書は、ベストセラーになった『映画を早送りで観る人たち』の続編として出版されました。
前著では、映画や映像が安くなっている現状を書いた。
映画を観る際の費用はどんどん下がっている。映画館で観る新作よりも、旧作でその変化が大きい。
レンタルビデオ店が主流だった時代は、VHSやDVDなど物理パッケージが300〜400円で貸し出された。今は1カ月1000円程度のサブスクリプションサービスを利用すれば、自分の端末で何万もの作品から見放題だ。サブスクの普及と現代的なコスパ(費用対効果)・タイパ(時間対効果)の価値観が結び付き、映画は早送りで流し見してもよい対象となってしまった。金額の面でも、作品の鑑賞の仕方の面でも、本来の価値が毀損されている。
そして文章の世界でも、同じことが起こっている。ネット上のコンテンツは「無料で読めて当たり前」というのが多くの人の認識だ。こうした問題意識から、前著出版後すぐに本書の企画が始まった。























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