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常石造船は国策とは別の道を選び、海外展開を拡大中。「異端」を自認する社長が、国内を縮小しても東ティモールを選んだ必然

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福山市にある海沿いの住宅地から瀬戸内海のほうを見ると、造船所の巨大なジブクレーンが目に飛び込んでくる(写真:編集部撮影)

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政府が国内造船所の強化を打ち出す中、あえて「外」に活路を求める造船会社がある。広島県福山市に本社を置く常石造船だ。フィリピン、中国に続き東ティモールで、3つ目となる大規模な海外拠点の立ち上げに挑んでいる。なぜ海外なのか。その戦略を追った。

JR福山駅から車で30分。山間の集落を抜けると突然、巨大なジブクレーンが視界に飛び込んでくる。広島県福山市にある常石造船の新造船工場だ。創業は1917年。瀬戸内海に面したこの工場には、1基の船台と1基のドックがあり、協力会社を含めて約2000人が働いている。

世界最大シェアのばら積み船400隻以上の建造実績

祖業は海運業だが、船舶の新造・修繕を軸に、商社やリゾート事業なども展開してきた。主力はばら積み船の建造で、世界的に高いシェアを持つ「カムサマックス」(ギニアのカムサ港に入港できる最大サイズの船)は累計400隻以上を、一回り小さいTESSシリーズも600隻以上を世に送り出してきた。

2025年には三井E&Sから譲り受けた商船設計会社を完全子会社化するなど、造船不況下にあっても拡大路線を維持してきた。

現在、同社が力を注ぐのが新たな海外拠点の立ち上げだ。94年のフィリピン進出、03年の中国・浙江省進出に続き東ティモールで、3拠点目となる新造船拠点を構えようとしている。すでに24年に設計会社を設立し、現地では約50人が働いている。27年には工場本体を稼働させ、稼働開始から5〜10年後には、ばら積み船を中心に年10隻程度の建造を実現する計画だ。

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