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日本政府の造船復興策のトリガーは「米ハリス候補の大統領選失速」だった。識者が語る中国1強阻止の日米連携の舞台裏

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自民党や首相官邸、米ホワイトハウスに人脈を持つ峯村健司氏が、造船業復活に向けた日本政府の調整の内幕を明かした(撮影:梅谷秀司)
高市早苗政権が17の重点投資分野の1つに挙げた「造船」が注目されている。2025年末には、国内の建造量を35年までに倍増させるための政府のロードマップが公開された。造船業をめぐる政治・行政の動きのギアが急に上がったようにも見えるが、実は一昨年夏から官邸、省庁、自民党、トランプ米大統領側近らによる水面下の動きが進んでいた。そのやりとりに深く関わったと話すのが、キヤノングローバル戦略研究所上席研究員で同研究所中国研究所長も務める峯村健司氏だ。その内幕をメディアの取材に初めて明かした。

――政府が造船を重点投資分野に据えるまでの内幕を見られてきたとうかがいました。

2024年の夏ごろから私は、自民党、経済産業省、そしてのちにトランプ政権高官となる人物らとの間で「造船」の話をしてきた。当時はアメリカ大統領選挙の最中で、(民主党候補の)ハリス氏が失速しトランプ再選の流れになりつつあった。そうした中で日本政府の複数の幹部から「トランプ対策はどうすればいいか」と相談を受けた。

24年夏、後のトランプ政権高官に求められた「造船」

後に第2次トランプ政権高官となる人物に「トランプは日本に何を求めるか」と尋ねたら、「造船だ」と。この人物は「アメリカの造船所には技術が残っていない」「日本と韓国に協力してほしい」と考えていた。こうした話を受けて、私は日米同盟強化のツールとして「造船」の重要性を日本政府幹部らに伝えた。

――ジャーナリストとしてホワイトハウスや首相官邸を長年取材してきた中で築かれた峯村さんのネットワークですね。トランプ氏側はなぜ造船にこだわるのですか。

大統領1期目のトランプ氏の外交安全保障方針は「力による平和」だった。彼の頭には「船こそパワーだ」という概念がある。だから1期目には、300隻を切っていたアメリカ海軍の艦艇を350隻程度まで増やすと打ち出した。しかしそれができなかった。

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