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世界4位浮上の今治造船、中国・韓国追い上げの切り札は部材と人材の「共通化」 新燃料タンク工場に見るJMU協業の最前線

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今治造船の丸亀工場では2本のドックで巨大船が建造されていた(写真:編集部撮影)

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日本の造船勢力図が動いた。今治造船グループはJMUを連結子会社化し、世界4位へ浮上した。だが、規模で勝る中韓勢との差は依然として大きい。そこで同社が打ち出した突破口が「共通化」戦略だ。造船復興のカギを握る新燃料船製造現場で見た「協業」の最前線をリポートする。

世界4位へ浮上した国内最大の造船集団。その主力工場では、複数の大型船の建造が同時に進んでいた。

2月上旬、香川県丸亀市の今治造船丸亀工場。積載1万3900個クラスのコンテナ船や、進水間近の自動車運搬船などの建造工事が並行して行われていた。

業界トップの今治造船は国内10カ所に造船所を持ち、これまでに3000隻以上の新造船を建造してきた。今年1月には業界2位で財閥系のジャパン マリンユナイテッド(JMU)を連結子会社化。2社を合わせた年間建造量は469万総トンとなり、世界4位(シェア6%)に浮上した。日本の造船グループが世界トップ5に名を連ねるのは久々だ。

もっとも、世界シェア25%近くを占める中国船舶集団(CSSC)をはじめとする中韓勢の背中はなお遠い。連結子会社化の記者会見で今治造船の檜垣幸人社長はこう語った。

「中韓勢では統合による企業再編が進行している。生き残るため、今治造船とJMUのさらなる関係強化が必要と判断した」

そして次のように続けた。

「中韓と違い、われわれには巨大な設備がない。その弱点を補うため、支援工場で製造する船体ブロックをより共通化し、シナジーを出したい」

2時間かけて1枚の外板を溶接

最大の拠点である丸亀工場では約2000人が働く。地元の工業高校を卒業した入社18年目の溶接工、寺嶋隆二さん(36)もその一人だ。

船の外板などの自動溶接を担当し、8人のチームを率いる。高さ6mほどの鋼板を約2時間かけて溶接する作業では、電圧、電流、温度の繊細な管理が求められる。「外板は安全性を左右する重要部位で、入社後5年は触らせてもらえなかった」(寺嶋さん)という。

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