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政府がイノベーションを目利きできるのか?21世紀に復活した産業政策は米中も「勝ち馬に乗る」だけ…最も無責任な積極財政

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筆者が公述人として出席した衆院予算委員会で挙がった一番の疑問とは(写真:つのだよしお/アフロ)

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財政政策についての議論を網羅的にやってみよう。

まず、「責任ある積極財政」という言葉は、気合いを示すためだけのスローガンに過ぎないから、まったく忘れることにしよう。

積極財政であるかどうかも、主観に過ぎず情緒的な意味しかないので、これも忘れよう。

事実だけに着目すると、現政権の主張していることは、単年度の財政赤字に縛られず、どんどん財政支出を拡大する、という単純なことだ。

まず、単年度主義から複数年度のプロジェクトも支出可能にするという点は、実は、まったく意味がない。かつ、現在よりも財政支出の質が悪化する。理由は3つ。

現状で最悪の部分を膨らまそうとしている

第1に、すでに行われている。財務省もバカじゃないから、良いプロジェクトであれば、複数年度を前提に、法律的、形式的にプロジェクトを単年度に割って、実質的な継続性は担保するということを長年行っている。

第2に、そんな財務省なんて信じられない、というのであれば、複数年度プロジェクトは近年、補正予算で壮大に行われている。いわゆる、基金とファンドである。

補正で13.9兆円!などと規模を確保するために、各省庁は、ここぞとばかりに基金やファンドを作る。いい投資案件、プロジェクトなど、すぐにはないから規模を手っ取り早く出すためには、基金やファンドで金額だけ積んでおく。支出内容はあとでゆっくり考える、ということだ。

この枠組みでは複数年度のプロジェクトは大いに可能だ。規模もかなり大きい。

しかし、誰もが知っている通り、ファンドや基金は最悪のパフォーマンスであり、国会で何度も問題となった。クールジャパンファンドを筆頭にありとあらゆる失敗プロジェクトである。あるいは使途がなくて現金を積んだままであり、このどちらかである。

まさにガバナンスがまったく効いていない補正予算の典型である。その補正の中でもファンドは、箱だけ決めて、あとはほぼ自由なのでガバナンスは最悪であり、すべて失敗(やる前からわかっていた失敗)である。

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