24年に市況は反発「半導体マネー」に沸く世界の今 インドまで参入、官民入り乱れた投資合戦に

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市況もようやく上向きつつある。半導体市場は「シリコンサイクル」と呼ばれる好不況の波を繰り返しながら成長してきた。直近の好況の波は2020年のコロナ禍によるPC・スマホなどデジタル機器の特需によって起こり、世界半導体市場統計によれば2021年は前年比26%増と急激な伸びを記録した。だが2022年の後半以降は特需の反動で急失速。以降、冬の時期が続いてきたが、今年の初めにはすでに底を打った。

前年同月比では依然として10〜20%減の水準ではあるものの、前月比では今年5月以降2〜4%の回復が続いている。やがて装置や材料を含め業界全体が上向いてくるだろう。前述のように、2024年から2025年にかけては世界中で新工場の稼働も始まる。

生成AIブームが援軍に

さらにそこに、「ChatGPT」をきっかけにした生成AIブームという援軍も現れている。急拡大する膨大な計算処理に対応するため、GPU(画像処理装置)の需要が爆発。GPU市場で圧倒的な米エヌビディアの直近の四半期決算は、前年同期比で売上高が2倍、純利益は9倍という強烈なものだった。米グーグルや米アマゾンなどは専用のAI半導体の開発にも力を入れる。2024年以降の需要の押し上げ要因になりそうだ。

2024年の市場は2022年の水準まで戻るという見方が強い。そのため装置や材料メーカー各社は足元の市況には目もくれず、次のピークに向けて設備投資に邁進している。熱狂は、まだ止まらない。

石阪 友貴 東洋経済 記者

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いしざか ともき / Tomoki Ishizaka

早稲田大学政治経済学部卒。2017年に東洋経済新報社入社。食品・飲料業界を担当しジャパニーズウイスキー、加熱式たばこなどを取材。2019年から製薬業界をカバーし「コロナ医療」「製薬大リストラ」「医療テックベンチャー」などの特集を担当。現在は半導体業界を取材中。バイクとボートレース 、深夜ラジオが好き。

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