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富士フイルムやGEが先行する小型の超音波診断装置「ポケットエコー」→医療・介護の現場で1人1台の時代は来るか、医療費削減にも期待

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富士フイルムのポケットエコー「iViz air」。手のひらサイズで気軽に持ち運びできる(記者撮影)

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ポケットに入るほど小型化された、超音波診断装置「ポケットエコー」。聴診器のように、つねに持ち歩く医師も珍しくなくなっている。

エコーはレントゲンやCTと異なり放射線被曝がなく、体内をリアルタイムで可視化できる。従来は据え置き型の大型機器で、検査のために患者が移動する必要があった。ポケットエコーならば場所を選ばず、ベッドサイドでも使えることから普及が進む。

新型コロナウイルスの感染拡大時には、患者を隔離室に集める必要が生じた。従来通りの診察が難しい中、ポケットエコーは患者を移動させずに隔離下で検査ができる手段として活用された事例もあり、その実用性が認知されるきっかけとなった。

国内では医師によるエコー検査が保険診療の対象となっており、将来的に「医師1人に1台」が訪れる可能性も出てきた。

業界大手が参入、医療費削減の試算も

特に有用性が期待されるのが、僻地や離島を含む在宅医療の現場。肺炎や骨折など、本来であれば病院でのX線検査が必要とされるケースでも、ポケットエコーがあればその場で初期診断が可能だ。

沖縄県宮古島市で在宅診療を行う泰川恵吾医師は、「患者によっては病院への移動自体がリスクになる。エコーがあれば、最短距離で治療につなげられる」と語る。診断や搬送にかかる時間が命に関わる場面では、迅速性が何より重要となる。

この分野では、GEヘルスケアや富士フイルムが先行し、キヤノンやテルモも製品展開を進めている。

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