
2019年の社長就任後、医療機器専業へと舵を切った竹内康雄会長(撮影:梅谷秀司)
内視鏡を中核とする医療機器専業メーカーへと生まれ変わったオリンパス。徹底的な選択と集中、人事制度改革などを主導してきたのが、2019年からトップを務める竹内康雄会長である。
2023年に後継を託したシュテファン・カウフマン氏は、2024年10月に薬物使用疑惑で突然辞任。足元ではアメリカの食品医薬品局(FDA)への対応や、中国市場の停滞など課題が山積する中、竹内氏が再登板して陣頭指揮を執ってきた。
6月からアメリカ出身のボブ・ホワイト氏を新たなCEOに迎え、新体制がスタートした。竹内氏が東洋経済のインタビューに応じるのは2年ぶり。その胸中を語った。
文化を根付かせる
――昨年は突然のCEO退任といった不測の事態が起こりました。そんな中でも業績は堅調で、売上高1兆円台への回帰が目前です。現状をどう評価しますか?
会社経営において、完全という状態は当然ない。つねに何らかの課題を抱えているものだ。ましてやオリンパスは、私が社長に就任した2019年の時点では精密機器メーカーだった。企業の成り立ちや文化、社員の意識において「医療の会社」ではなかった。
それを医療機器に特化した企業へと変革するというのは、数年で成し遂げられるものではない。医療企業にふさわしい文化を根付かせるには、多くの困難が伴う。私はその困難を就任当初から覚悟してやってきた。
これまで当社は、医療分野で一定の貢献と信頼を築いてきた。ただ私が求める、この会社がなるべき状態に到達するには、まだまだもう少し時間がかかる。
――オリンパスの変革はまだ道半ばだと?
この記事の特集
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら