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“株価ストップ安”に沈んだ東京エレクトロン、快進続くアドバンテストの明暗、ディスコとイビデンは強気→「AI半導体ブーム」の現在地

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AI半導体を巡り業績の明暗がくっきりとわかれている(左上撮影:梅谷秀司、その他:編集部)

AIか「それ以外」か——。半導体市況の二極化が止まらない。

半導体製造装置メーカーで国内最大手の東京エレクトロンは、主力の塗布・現像装置で世界シェアの9割超を握る。その動向は、“半導体市場全体”の象徴だ。

同社は7月31日、2025年度業績見通しの下方修正を発表した。従来は前期比4.3%増の7270億円を見込んでいた営業利益予想を、同18.3%減の5700億円まで引き下げた。

この修正発表を受けて、翌日の株価は18%も急落。一時ストップ安水準まで売り込まれた。

「市場全体」は冴えない

東京エレクトロンの苦戦は、複数の要因が重なったことが大きい。1つは、メイン顧客である先端品を手がける半導体メーカーの設備投資が鈍った影響だ。

先端半導体を手がけているのは世界に3社。台湾のTSMC、アメリカのインテル、そして韓国のサムスンである。この3社の中でもとくに、AI半導体需要を吸い込み続けるTSMCと、業績不振が続くインテルの優勝劣敗は鮮明だ。インテルでは投資計画の見直しが相次いでおり、この影響を受けた。

もう1つは中国メーカーからの受注の落ち込みだ。東京エレクトロンにとって中国は最大市場。2024年度には売上高の4割を占めていた。

元々、中国メーカー向けでそこまで強気の目標を掲げていたわけではない。従来のシナリオは「2024年まで怒涛の勢いで投資を進めてきた中国メーカーの勢いは今年は落ち着き、2026年はじめからは投資が再加速する」というものだった。

しかし「足元では受注がほとんど入らず、今期末に見込んでいた売り上げが立たなくなった」(IR担当者)。

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