半導体市況はAI頼み?各社が語った不況の出口 用途別で明暗が分かれる企業業績の今後

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半導体関連企業の製品
右のテスタから写真は時計回りにブレードダイサーとシリコンウェハー。いずれも半導体の製造に欠かせない材料や製品だ(写真:アドバンテスト、ディスコ、信越化学工業)

年明け以降の株式市場で日本株の急騰を牽引してきた半導体関連企業。1月末からその多くで決算発表が相次いでいる。半導体メーカーが新規の設備投資を抑えていた影響で、関連企業の2023年度業績が冴えないことはすでに織り込み済み。気になるのは2024年度以降の見通しだ。

半導体の世界出荷額で過半を占めるのが、演算に使われるロジック半導体と一時・長期記憶の機能がある半導体メモリー。どちらもメイン用途はスマートフォンやパソコン向けだ。そのためこれまでは、スマホ・パソコン市場がいつ回復するかに焦点が当たっていた。

だが、足元で発表の続く決算での注目点は少し異なる。最大の需要先の動向はもちろん重要ではあるものの、各社の説明会で語られたのはむしろ「AI半導体への期待」だった。

超高速メモリー需要捉えるアドバンテスト

「3カ月前の段階では『HBM』の需要が盛り上がっている最中だった。昨年末にかけて、2025年までを見据えた見通しを顧客からもらった。以前よりも一段と上がっている感じがある」

決算説明会でそう話したのは、アドバンテストの吉田芳明社長だ。半導体がきちんと動作するかを製造工程の最終段階などで試験するテスタと呼ばれる装置をアドバンテストは手がけている。

アメリカの半導体メーカー・エヌビディアのGPU(画像処理半導体)は、生成AIの開発にも使われるAI半導体として注目されている。そのエヌビディア向けのテスタを独占供給するのがアドバンテストだ。(詳しくは2023年7月12日配信『日本の「半導体検査装置」に訪れる生成AIブーム』に)

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