〈戦いは第2幕へ〉日本アニメに忍び寄る"優勝劣敗"の足音 「アメリカ」で巻き起こす熱狂は序章か、バブルか…新たな主戦場の攻略へ課題は山積

8月18日(月)北米の熱狂はバブル?日本アニメに忍び寄る“優勝劣敗”の足音
8月19日(火)41万人が集結!ロスの巨大アニメ祭典で目撃した熱狂(仮)
8月20日(水)KADOKAWAのアニメ責任者が語る北米市場の現在地(仮)
8月21日(木)日本からアクセスできない秘境「クランチロール」の迫力(仮)
世界中にファンが広がり、国の基幹産業の1つに位置づけられるまでに至った日本のアニメ。日本動画協会「アニメ産業レポート2024」によると、2023年の市場規模は約3.34兆円と、10年間で2倍超に急成長した。
「ここ数年で、業界としてのステージが上がった」。あるアニメ製作会社の首脳は、そう手応えを語る。2010年代中盤からコロナ禍を経て、動画配信サービスの普及を追い風に成長した時期を第1幕とするならば、より巨大な産業への脱皮をうかがう“第2幕”を迎えた、ともいえよう。
北米は今後5年で1.5兆円市場へ
そんなアニメ産業で目下、新たな主戦場となる気配が漂うのが、エンターテインメントの聖地・アメリカだ。アメリカの調査会社グランド・ビュー・リサーチによると、2024年の北米アニメ市場は約37億ドル(約5550億円)に上り、2030年には100億ドル(約1.5兆円)弱への成長が見込まれている。

例えば、「ドラゴンボール」「ワンピース」という2大IP(知的財産)を扱う東映アニメーション。2004年に現地法人を設立し、いち早く市場に食い込んできた。2025年3月期は、内訳が確認できる2012年3月期以降初めて、地域別売上高で北米がアジアを上回った。
その恩恵にあずかろうと、エンタメ各社の投資も活性化している。先陣を切ったのはソニーグループで、2017年にファニメーション、2021年にクランチロールと、矢継ぎ早に現地のアニメ配信サービスを買収・統合した。その後、KADOKAWAが現地で最大規模のアニメニュースメディアを買収。東宝は2024年、アニメ映画配給のGKIDSを傘下に収めた。
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