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「株主や投資家の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしていることを深くお詫び申し上げる」
11月14日、2025年4〜9月期決算会見に姿を現した岸田光哉社長は、深々と頭を下げた。9月に不適切な会計処理について第三者委員会を設置して以降、岸田社長が公の場で説明したのは初めてのことだった。
同社の決算会見は「招待制」。限られたメディアとアナリストだけが参加できる立て付けで運営している。東洋経済記者は取材を通じて会見日時と場所を把握し、「招待」を受けないまま会場に向かった。
受付で記者が名刺を渡すと、すんなり会場に入ることができた。スタッフは丁寧に対応し、資料も受け取ることができた。大きな会見会場はがらんとした印象だった。
5月以降、何が起きたのか。やや長くなるが、時系列に沿って、公表された「疑惑」を整理しておこう。
発端は「海外子会社の監査遅延」
発端はニデックが5月29日に発表した「海外子会社の監査遅延」である。ニデックが会計監査人の報告を受領しておらず、6月20日の定時株主総会までに監査報告がなされるかどうかが「未定」というのだ。
株主総会2日前の6月18日になると、今度は監査報告を受領できないために有価証券報告書の提出を延期すると発表。リリースでは、イタリア子会社のニデックFIRインターナショナルで製造したモーターの原産国申告に誤りがあり、未払い関税が発生した可能性があるためとした。




















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