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「永守イズム」なきニデックは事業成長できるのか、不採算の車載EV事業を切り離せるかが再生のカギに

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ガバナンスの欠陥が浮き彫りになったニデックだが、肝心の事業は今後も成長を続けることができるのか(写真:編集部撮影)

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不適切会計疑惑をきっかけにガバナンスの欠陥が明らかになったニデック。格付け会社のムーディーズ・ジャパンは1月22日、「財務諸表の信頼性に対する不透明感が継続し、ガバナンスリスクが投資適格等級の格付けに相応しない」としてニデックのシニア無担保債務格付けを「Baa3」から「Ba3」に3段階引き下げたと発表した。そのニデックは今後、事業成長を続けていくことができるのか、『会社四季報』でニデックを担当する徳田菜月記者が分析する。
※2025年3月期までの公表数値を基に執筆しているが、第三者委員会の調査などを経て数値は修正される可能性がある。

ロボットや自動車、電子機器などあらゆるものにモーターは欠かせない。米調査会社のグランドビューリサーチによれば、世界のモーター市場は2025年時点で2129億ドル(約33兆円)。33年には4056億ドル(約64兆円)に達すると見込まれる。

産業機器向けではTMEIC(東芝と三菱電機の合弁)、ロボット向けは安川電機やファナック、自動車駆動向けではデンソーなどが知られる。電子部品業界ではニデックのほか、マブチモーターやミネベアミツミなどが独自色を強めてきた。

ニデックはモーター単品のみならず、工作機械やEV駆動部品などサプライチェーンの上流、下流をも取り込んできた。これは他社にはない特徴といえるだろう。

そんなニデックの成長の芽はどこにあるのか、詳しく分析してみよう。

「優等生」の精密小型モーター

ニデックの「製品グループ」は、大きく「精密小型モータ」「家電・商業・産業用」「機器装置」「車載」の4つに分けられる。「電子・光学部品」もあるが、売り上げ比率は5%程度だ。

祖業の「精密小型モータ」は全社売り上げの約25%だが、営業利益率は12.1%(過去10年の平均)と、全社平均の8.8%(同)を大きく上回る「優等生」だ。

精密小型の主力で、ニデックの代名詞ともいえるHDD(ハードディスクドライブ)用モーターは、世界シェア約80%(会社公表値)と圧倒的首位を保ってきた。ニデックの有価証券報告書では、米シーゲイト・テクノロジー、米ウェスタンデジタル、東芝といった大手HDDメーカーのすべてに主要サプライヤーとして供給実績があるとうたっている。その占有率の高さから価格交渉では優位に立っているといえる。

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