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牧野フライス社長が激白60分「ニデックのTOB強行は遺憾」「当社の機械は安くない」「買収提案を待っている」、ニデックへの反発心あらわに

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金型加工技術の展示会「インターモールド2025」の会場で取材に応じた、牧野フライス製作所の宮崎正太郎社長(記者撮影)

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工作機械メーカー・牧野フライス製作所の宮崎正太郎社長が4月16日、都内で東洋経済などの囲み取材に応じた。同社はモーター世界大手のニデックに4月4日から「敵対的TOB」を仕掛けられている。4月10日に反対意見を表明済みで、両社の対立は深まっている。
牧野フライスは複数の第三者から初期的な買収意向を受けており、5月21日までのTOB期間中にホワイトナイトを探そうと躍起だ。渦中の経営トップは何を語ったのか。1時間あまりに及んだ合同インタビューを詳報する。

信念を持ってやってきた

――ニデックに買収された場合、どのようなディスシナジーが見込まれますか。

いちばんの懸念は、工作機械メーカーとしての独立性がなくなることだ。当社はマシニングセンタ(MC)に特化しており、顧客の製品と被るものは一切作らない。創業から80年以上、信念を持ってそうしてきた。おかげさまで「牧野に頼めば情報が漏れることはない」と、非常に厚い信頼を得ている。

顧客の製造工程には、さまざまな形のノウハウがある。生産を1秒縮めたり、コストを切り詰めたりする。彼らは生き残るためにそういう勝負をしている。もし当社がニデックの傘下に入れば競合となりうるため、情報流出のリスクから「もう機械は買えません」となる。

だから、一般的に工作機械メーカーは量産品を作らない。ニデックは当社の顧客が離れたら、取引を再開してくれるように自分たちで説得すると言う。でも、どうやってやるのだろうか。

――独立性を重んじるのなら、買収されるリスクを負ってまで上場するメリットは何ですか。

当社が上場したのは、もう50年ほど前の話だ。創業者の故・牧野常造は公共性を重んじた。公から集めた資金で社会の役に立つ事業に取り組む、という意志があった。業界の発展のため、自分の持ち株を寄付し、工作機械技術振興財団も設立している。こうした思いを受け継いできた経緯がある。

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