日本生命でも出向者による「スパイ活動」が発覚 法令違反行為を組織的に隠蔽した疑いも浮上

日本生命保険から三菱UFJ銀行に出向していた職員が、銀行の内部情報を無断で持ち出していたことが発覚し、業界に波紋を広げている。
持ち出していた情報は、保険販売における行員の業績評価体系のほか、競合生保の商品改定情報や商品の販売動向など。銀行の個人・法人顧客の情報は今のところ見つかっていないという。
銀行窓口における競合生保の商品販売動向といった情報は、「営業秘密」に当たる可能性があり、スパイ活動を取り締まる不正競争防止法違反に問われる可能性がある。
問題は、組織的に隠蔽しようとしていた疑いがある点
さらに問題なのは、出向者が内部情報を横流ししていたことを組織的に隠蔽しようとしていた疑いがあるという点だ。
事の経緯をたどると、この出向者は2024年3月まで同銀行に出向していたが、その間、メッセージアプリや郵送、直接の手渡しといった手段で、画像データや内部資料などを日本生命の金融法人部門にせっせと横流ししていたようだ。
一部の情報は銀行外に連携してはならないものであることは、出向者も金融法人部門も認識していた。しかしながら、情報を受け取った金融法人部門の役職者はあろうことか、メールに添付して日本生命グループ内の約280人に共有。その中には金融法人部門の担当役員や管理職数十人が含まれているという。
そもそも、こうした不正行為が保険業界で明るみになるのは初めてではない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら