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〈新たな働き方〉飲食業界版スキマバイトで「休めるときに休める」、料理人に変化をもたらす「スポットシェフ」サービス

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シェアダイン
シェフも多様な働き方ができる時代になりつつある(写真:シェアダイン)

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ソファにもたれながら缶ビールの栓を開け、ゴクリと喉を鳴らす。「最高だわ。こんなに快適でいいのかしら」。

そうやって自宅でくつろぐのは、『シェフたちの悲鳴「終電で帰宅し寝るだけ」の激務』で串焼き店での激務を話してくれた山本ゆかりさん(仮名、46歳)だ。

1年前までは10時間以上もの労働が常態化し疲労困憊だった。しかし現在は、午前10時から午後8時頃までの勤務で、休憩も十分に取れる。「体がすごく楽になった」と山本さん。明日の調理場での段取りをイメージしながら、2口目を味わった。

山本さんの労働環境が一変した理由は、昨年5月頃から「スポットシェフ」の登録・利用を始めたことにある。

2.5万人超がサービスに登録

シェアダインが展開するスポットシェフは、人手不足に悩む飲食店とフリーランスのシェフや調理師を、必要な時に必要なだけマッチングさせるデジタルサービスだ。わかりやすくいえば、飲食業界版の「スキマバイト」である。専門性の高いシェフや調理師に特化しているのが特徴だ。

2017年設立のベンチャー企業であるシェアダイン。共同代表の井出有希氏と飯田陽狩氏は外資系コンサルティング会社時代の同僚で、ともに家庭の食の悩みを解決する必要性を感じ、シェアダインを設立した。

設立当時の主力事業は、各家庭にシェフや調理師を派遣する「出張シェフ」だった。「最近は2023年から本格的に始めたスポットシェフ事業が、グーンと伸びている」と井出代表は語る。

スポットシェフに登録する料理人は7月時点で2.5万人を超えた。2018年のサービスローンチ時には50人だったことを考えると、驚異的な伸びだ。利用店舗は全国的に有名なレストランやホテルも含まれる。

「首都圏での利用が多いが、沖縄の外資系ホテルや新潟の国内大手ホテルなど、季節ごとの需要に応じて全国で利用されている」(井出代表)。スポットシェフの利用拡大には、昨今の飲食店事情が影響している。

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