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日立の"グローバル営業改革"は組織作りがカギ→自動車部品とストレージをセット売り「日本人が海外で売る」という失敗体験から学んだこと

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特定の顧客や業界の課題に合わせて視覚的にマッピングするツールを開発し、提案に生かしている(「One Hitachi Landscape」のキャプチャー)

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やっと商談までこぎ着けたのに、現地で販売する体制がない。トップ営業で相手企業のCEOと握手を交わしたのに、肝心の売るソリューションがない……。

日立製作所は2013年以降、複数の海外営業プロジェクトを手がけてきた。どれも一定の成果はあったものの、リソース不足と、本社主導で事業部との連携ができていなかったという課題が残った。

そんな中で23年度、新たな営業の取り組みが本格始動した。社内では「またやるの? 大丈夫か」という雰囲気が漂うほどだったが、着実に成果を上げつつある。

背景には、海外企業を中心に大型M&A(合併・買収)を重ねてきたことがある。イタリアのアンサルドSTS(15年)、スイスABBの送配電事業(20年)、そしてアメリカのグローバルロジック(21年)。買収により現地の営業人材や販売体制とともに、顧客基盤も手に入れた。

主要顧客の多くがグローバル企業であることから、日立グループ内で事業をまたいだ営業チームを組成。複数の事業を抱えるコングロマリットならではの強みを生かしている。22年度時点で13社だった「戦略顧客」は、現在は36社にまで増えている(5社とは戦略的パートナーシップを締結)。

このうち19社は25年度にチームの立ち上げが始まっており、徳永俊昭社長が就任した4月以降、急ピッチで戦略顧客を増やしていることがうかがえる。

自動車部品からストレージ、ソフトへ展開

例えばドイツの自動車会社の場合、デジタル化や電気自動車(EV)化が加速する中で、新たな課題を抱えていた。そこで同社への営業基盤を持つ担当者がデジタル部門と連携し、顧客のニーズを把握。従来の自動車部品にとどまらず、日立グループが扱う複数の事業にわたる製品を包括的に提案した。

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