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【日立のルマーダ】「コンセプトだけで中身がない」から一転、9年で収益4兆円へ急成長→デジタル戦略の要、AIで進化した「ルマーダ3.0」の実力

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当初のルマーダは社会インフラにデジタル技術を実装し利便性を高めることが目的だったが、AIとの組み合わせで進化を遂げている。写真は「ルマーダイノベーションハブ東京」の展示(撮影:梅谷秀司)

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「ルマーダ」登場から9年━━。

日立製作所がIoT(モノのインターネット)基盤と銘打って、2016年5月に誕生したDX(デジタルトランスフォーメーション)支援ソリューションが、さらなる進化を続けている。

最初の転機が訪れたのは21年。「ルマーダをさらに強化するために、どうしても必要な会社」として、アメリカのデジタルエンジニアリング会社、グローバルロジックを約1兆円で買収した。それまで欠けていた顧客への企画・立案力が加わり、「ルマーダ2.0」へとステップアップした。

その後に訪れた、生成AI革命が2度目の転機となる。今年4月には「ルマーダ3.0」を打ち出し、9月にはルマーダ3.0戦略推進室が始動。ここのトップを務める、戦略SIBビジネスユニットを率いる谷口潤氏は「AIの進化によって社会インフラに知能を与え、その価値をさらに高めていくというのがルマーダ3.0の方向性だ」と解説する。

日立の強みは、社会インフラなど現場で得られるデータだけでなく、そのデータが何を意味しているかを理解できることにある。これまで培ってきたドメインナレッジ(知見や経験)にAIを組み合わせることで、社会インフラの運用をさらに高度化するのが、ルマーダ3.0なのだ。

これまでのルマーダの成果は?

当初は「コンセプトだけ打ち出して中身がない」と揶揄されたルマーダ事業だが、収益的に大きな成果を上げている。

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