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日立が成長の核と位置づける「ルマーダ」の正体 もはや従来の「IoTプラットフォーム」ではない

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日立製作所が2016年から掲げている「Lumada(ルマーダ)」。会社は、今後の売り上げ成長を牽引していく存在と位置づける。そのビジネスモデルとは。

ジェノバの鉄道
ジェノヴァではスマホにアプリを入れることで、複数の公共交通機関をハンズフリーで利用できる(写真:日立製作所)

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イタリア北部の都市、ジェノヴァ――。人口約60万人の港町を覆う公共交通機関で、2022年夏にある画期的なサービスが導入された。

その最大の特徴は、切符を必要としない「チケットレス」乗車にある。日本で電車やバスに乗る際は通常、事前に買った切符や専用の交通系ICカードで改札を通って乗車する。ICカードの機能はスマホアプリ化されているが、改札ではスマホをかざすことになる。

ところがジェノヴァでは、乗車時にチケットやスマホを取り出す必要がない。乗客のスマホにインストールされたアプリが、市内の駅や車両など7000個以上設置されたブルートゥース(近距離無線通信)センサーと通信し、移動経路を自動的に記録していく。

1日が終わると、いつ乗車し、どこまで移動して下車したかというデータを基に費用が請求される仕組みだ。利用した公共交通機関が複数あったとしても問題はない。2022年11月にはイタリアのトレントでも同様のサービスが導入された。

各事業部に横串を刺すモデル

交通事業者は人流データを活用して、運行ダイヤを最適化することができる。公共交通機関の利便性が向上すれば、移動手段における自家用車への依存が減り、交通渋滞の緩和や温室効果ガスの排出量削減にもつながる。

日本から遠く離れた欧州で始まったこのサービス。仕組みを作っているのは、日本の日立製作所だ。2016年以降、日立が声高に叫んでいる「Lumada(ルマーダ)」ビジネスの代表例の1つとなっている。

「ITやプロダクトのように別々のビジネスをしていた部隊が、協働して1つの顧客とともに課題を解決することができるビジネスモデル」。日立の小島啓二社長は「ルマーダ」をそう表現する。

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