【大赤字】コカ・コーラBJHが自販機事業で881億円の巨額減損、会社側は「事業利益は好調」と主張も・・・このタイミングで減損計上した理由とは?

またしても巨額赤字に転落してしまった――。
8月1日に発表されたコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(以下、コカBJH)の2025年12月期中間決算は、売上高が増収ながら、最終損益は658億円の赤字で着地した。
中間決算発表と同時に、会社側は2025年度の業績見通しを110億円の最終黒字から、485億円の赤字へと下方修正した。400億円を超す最終赤字は2019年度以来となる。
同社のカリン・ドラガン社長は、決算発表当日の会見で「(本業の実態を示す)事業利益は極めて好調で、計画を上回って伸長している。最需要期の夏場に全力を尽くし良好な事業環境が続けば、(通期で)さらなる上積みも可能と考えている」と強気な姿勢を示した。
そんな言葉とは裏腹に、最終損益は大赤字に陥った。いったい何が起きたのか。
自販機事業で800億円超の減損計上
巨額赤字を計上した理由は、自販機事業で生じた881億円の減損損失だ。対象となったのは、自販機本体を中心に、工場やラインの製造設備や物流拠点などだ。
コカBJHは、特に自販機台数を増やすことで市場シェアを伸ばしてきた企業といえる。稼働台数は約65万台(同社調べ)で、業界2位・サントリー食品インターナショナルの約35万台(飲料総研調べ)を大きく突き放す。実際、コカBJHの2024年の年間販売数量4億9600万ケース(清涼飲料のみ)のうち、2割超を自販機の販路が占める。
スーパーやドラッグストアなどの小売店と違って商品を定価販売できる自販機は、長年収益性の高い販路とされてきた。そのため、台数や販売数量で他を圧倒してきたコカBJHにおいては、自販機が一定の稼ぎを生み出してきた。
だが近年は、自販機市場の縮小が止まらない。低価格で清涼飲料が買える小売店や安価なプライベート・ブランド(PB)品などへ需要が流出し、業界全体における自販機の販売数量はこの10年で約24%減少している。
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