会員限定

ベネズエラ沖に米軍が集結…「小国は言うことを聞け」と中南米諸国を恫喝するトランプ大統領、アメリカの危険な大国主義が中国ロシアを正当化する

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
*2025年11月28日6:00まで無料の会員登録で全文をお読みいただけます。それ以降は有料会員限定となります。
ベネズエラで壁に描かれたマドゥロ大統領(写真:ロイター/アフロ)

アメリカでいま、「ドンロー主義」(Donroe Doctrine)という言葉が広がっている。

19世紀初めにアメリカのモンロー大統領は欧州列強が中南米諸国に介入することを認めない「モンロー主義」を主張した。「ドンロー主義」というのは、モンロー主義という言葉を引き合いに、トランプ大統領の中南米に対する政策を表した言葉だ。ドナルド・トランプの「ドナルド」と「モンロー」を組み合わせている。

しかし、トランプ大統領が展開している中南米政策はモンロー主義とは似ても似つかぬ、極めて危険で暴力的なものである。

カリブ海に米軍が結集、密輸船を攻撃

象徴的なのがカリブ海への米軍の大規模な動員だ。現在、最新鋭かつ最大の空母ジェラルド・フォードと随伴するミサイル搭載駆逐艦3隻などが結集し、動員された米兵は陸上部隊と合わせ合計1.5万人となる。

米軍は9月以降、アメリカがベネズエラやコロンビアなどの小型船を麻薬密輸船だとして次々と攻撃している。11月15日時点で、攻撃回数は21回、83人を殺害した。密輸船は木っ端みじんに破壊され、麻薬などの証拠物は残っていない。

中南米には30を超える国があるが、トランプ大統領は例によって敵と味方に分け、従順な国に対しては支援している。

代表例がアルゼンチンだ。経済の低迷などで不人気なハビエル・ミレイ大統領は10月26日に行われた総選挙を前にアメリカから400億ドルもの支援の約束を取り付けて逆転勝利した。アメリカの支援の条件は総選挙での与党の勝利だった。露骨な内政干渉だが大きな問題にはなっていない。

次ページベネズエラ陸上攻撃の緊張
関連記事
トピックボードAD