サイバーエージェント藤田氏がついに社長退任へ、「2026年引退宣言」を前倒し…16人の候補から選び抜かれた後継者が迫られる"3つの課題"
日本を代表するネット広告代理店を築いた創業者が、27年間にわたる社長としてのキャリアに幕を下ろす。
サイバーエージェントは11月14日、藤田晋氏(52)が12月12日付で社長を退任し、代表取締役会長に就く人事を発表した。2代目社長には、専務執行役員の山内隆裕氏(42)が昇格する。
藤田氏は2023年3月、自身のブログで26年に社長を退くと宣言していた。20~30代の若い社員が活躍できる同社のカルチャーを守るために、自身が50代前半のうちにトップを退くことが賢明と判断した。
後任の山内氏は06年に新卒入社後、7年目には取締役に就任するなど着々と昇格。近年は動画配信サービス「ABEMA」の経営に携わるほか、アニメ&IP事業本部の本部長を兼任し、エンタメビジネスの育成を担ってきた。
早くから「最有力候補」と目されてきた
藤田氏が11月14日に投稿したブログによれば、予告していた26年より前倒しでの交代を決めたのは、藤田氏や社外取締役、コンサルなどの間で、次期社長に山内氏を推す意見が早々に一致したためだという。藤田氏は自社メディアにおいて、山内氏のことを「これまでの実績はもちろん、サイバーエージェントの文化を深く理解したうえでのリーダーシップや環境変化への適応力、結果を出すやり抜く力が強み」と評価する。
サイバーエージェントでは22年から、30~40代の有望な社員16人を選抜し、後継者育成の研修プログラムを履修させてきた。山内氏はその中でも、最有力候補と目されてきた人物だ。
代表的な成果とされるのが、ガラケー向けが中心だったモバイル広告事業の重心を、当時は未成熟だったスマホ市場にシフトし、急速に売上高を拡大させた実績だ。近年はエンタメビジネスにおいて、多種多様な業界人との人脈作りに腐心してきた。寡黙な印象を持たれながら、熱心な渉外活動ぶりでも知られている。




















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