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「肥満症薬の開発競争が世界で激化、中分子医薬品に注力」。中外製薬・奥田修社長CEOインタビュー

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中外製薬 社長CEO 奥田修氏
奥田 修(おくだ・おさむ)/中外製薬 社長CEO。1963年生まれ。87年、岐阜薬科大学卒業、中外製薬入社。ロシュ・プロダクツ・アイルランド社長、執行役員営業本部オンコロジーユニット長などを経て、2020年に社長COO、21年から現職(撮影:尾形文繁)

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AIの社会実装と「国策」の追い風を軸に、日本の産業界が新たな成長局面へ踏み出した。本特集では、2026年の主要35業界の動向を徹底予測する。

製薬業界には逆風が吹く。国内では毎年薬価が引き下げられ、アメリカでは政府医療保険での薬価が下がっている。国際的な開発競争の中、革新的な薬をどう生み出すか。中外製薬の奥田修社長に聞いた。

注目すべきは中国の創薬力

──製薬企業の置かれた事業環境は、不透明さを増しています。

まさに予測が難しい。最大市場であるアメリカで、日本から輸出される医薬品の関税がどうなるか。そしてアメリカの薬価を下げるためにトランプ政権が導入しようとしている、先進国の中で最も低い水準に合わせる「最恵国待遇薬価」の仕組みがどうなるのか。確実には読めない。

日本でも、医療費抑制のための薬価削減圧力が強まっている。インフレが続くにもかかわらず、薬価は特許期間中でも下がっていく。賃上げ分は価格に転嫁できない。

この構造が続けば、「ドラッグロス」「ドラッグラグ」(海外の新薬が日本で販売されない、あるいは販売が遅れる)が生じるだろう。

注目すべきは中国の創薬力の変化だ。少し前までと違い、ベスト・イン・クラス(既存薬に対して明確な優位性を持つ)の薬も出てきている。とくに抗体医薬の分野で、いいものが開発されている。

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