〈過去最悪の3300億円赤字〉苦境の電通グループが社長交代…「火中の栗を拾う新社長」に課された難題 巨額減損を出した海外でのリストラの行方は?
難局でのバトンタッチ。巨艦は上向くか。
国内広告最大手の電通グループは2月13日、2025年12月期決算(国際会計基準)を発表した。収益は1兆4352億円(前期比1.7%増)だった一方、営業損失は2892億円に拡大(前期の損失は1249億円)。純損失は3276億円(同1921億円)と、2年連続で過去最大の赤字を更新した。
第3四半期決算を発表した25年11月時点では、通期予想を営業黒字176億円、純損失529億円としていたが、これを大きく下回る着地となった。業績低迷を受け、01年の上場以来初の無配も決まった。
三度襲ったのれんの巨額減損
電通グループは、13年にイギリスの広告大手イージスを約4000億円で買収して以降、矢継ぎ早の海外M&A(合併・買収)を仕掛けてきた。
しかし買収後は想定したような成果を生み出せず、24年12月期は、アメリカセグメントと、ヨーロッパ・中東・アフリカのセグメントに関連したのれんの減損損失を約2100億円計上。そして25年12月期、両セグメントののれん減損は3961億円に膨張した。
同社は今回、将来的なのれん減損の発生リスクを極小化すべく、減損テストに用いる成長率の前提などを見直した。その結果として巨額の減損が計上され、バランスシート上におけるのれんの残高は1年前と比べ半分以下の3201億円に縮小した。
決算発表後の説明会ではアナリストから、このタイミングでテストの基準を厳しく設定し、わざわざ減損を“出しに行った”意図についても質問が飛び出した。遠藤茂樹グローバルCFO(最高財務責任者)は、前述したのれん減損の発生リスクの極小化に加え、26年度のガイダンスである黒字化を考慮したと答えた。今回の厳格な減損テストを経たことにより、「追加ののれん減損の可能性は極めて低い水準」(五十嵐博社長)という。
電通グループはこれで3期連続の最終赤字となり、同社の自己資本比率は11%台まで低下している。なんとしても4期連続の赤字を回避することで、自己資本の毀損を食い止め、持続可能な復配につなげたい――。経営陣の脳裏には、さまざまな思惑が浮かんだに違いない。




















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