〈DeNA南場会長の直言〉日本勢が世界で勝つために必要なこと。「AIはバブルではない」…海外マネー呼び、勝たせる試合にスタートアップを巻き込む
日本人が世界で戦うには2段階の壁
――自ら立ち上げたデライト・ベンチャーズで、米サンフランシスコ・ベイエリアでの起業を支援するプログラムを始めました。
アメリカ西海岸はスタートアップの聖地だ。競争が激しい分、成長スピードも速い。起業家の野心の規模感も違い、「やることのスケールが小さかったな、発想のタガを外してみようかな」と思わせる空気がある。日本で何かを作り込む前に、現地で起業に挑戦することは、グローバルな成功をつかむうえで有効な手段の1つだ。
そこで勝負しようとしている日本人は意外と少ない。中国、インド、韓国からの移民は多く、助け合うコミュニティがある。日本では、優秀な人材が大企業にロックインされていることも多い。伝統的な大企業を中心とする経済から出て、さらに日本から出るとなると、2段階の大きな壁がある。
現地では日本からイノベーションが出てくることを期待しているキャピタリストや起業家、わずかだが日本から飛び込んでネットワークを自ら作っている起業家たちがいる。プログラムでは、この2種類のメンターたちがサポートして、大きいスケールを描く環境を提供したい。
日本で教育を受けて日本に愛着を持つグローバルのリーダーがいれば、次のリーダーも出てきやすくなる。日本のスタートアップエコシステムにも好影響があるはずだ。



















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