スタートアップエコシステムの中心地といえば、今も昔も東京だ。そして、投資マネーの多くはIT・ソフトウェア領域に集中しがち。時間もコストもかかる「モノづくり(ハードテック)」のスタートアップは、特に創業初期(シード・アーリー期)の壁は高く、困難な挑戦とされてきた。その領域への投資に東京圏以外から果敢に挑むベンチャーキャピタル(VC)がMonozukuri Ventures(MZV)だ。
京都駅から北西に約3km、京都市中央卸売市場の西側に広がる朱雀宝蔵町・梅小路エリアには、スタートアップや若手芸術家、クリエーターが入居する空き家をリノベーションした施設や住宅が集まっている。その一角にMonozukuri Venturesはある。
同社は、いわゆるモノづくりや製造といったハードテック企業を投資対象とする独立系VCだ。2つのファンドを組成し、主に日米の設立間もないシードやアーリー段階のスタートアップへの投資を行っている。
ビジョンには、「『Monozukuri』を通じて世界中の起業家をつなげることで、一人一人の志や想いが社会を変え、起業家が輝ける社会をつくる」を掲げ、京都から世界・グローバルへの展開を目指す。投資だけでなく、試作量産のモノづくり支援、事業開発のオープンイノベーションなど、多様なステークホルダーを巻き込んだ事業も展開している。
牧野成将代表にMZVの特徴や今後の戦略について聞いた。
<概要>
[社名]Monozukuri Ventures
[住所]京都府京都市下京区
[代表者]牧野成将
[ファンド数]2
[従業員数]20(業務委託、パート含む)
「投資」ではなく「支援」から
――なぜモノづくりに特化しているのでしょうか。
20年ほどVC業界に関わっており、前職ではシリコンバレーのスタートアップに投資をするVCに所属していた。シリコンバレーには魅力的なスタートアップが多いが、それ以上に投資家も多く、スタートアップがVCを選べるような状況にあった。




















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