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<ベンチャーキャピタル探訪>独立VC・Monozukuri Venturesがハードテックや製造業スタートアップに投資をする理由と戦略

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Monozukuri Ventures代表の牧野成将氏。同VCは、2020年に京都を拠点とするDarma Tech Labsとニューヨークを拠点とするFabFoundryが経営統合する形で誕生した (写真:Monozukuri Ventures)
生成AIの登場に加えて、金融引き締めによる資金調達の難しさ、人材獲得競争の激化……スタートアップをめぐる環境は大きく変化している。連載「すごいベンチャー」では、そうしたスタートアップの最新情報を定期的に発信しています。
今回はスタートアップに投資するベンチャーキャピタルに焦点をあて、その素顔に迫ります。

スタートアップエコシステムの中心地といえば、今も昔も東京だ。そして、投資マネーの多くはIT・ソフトウェア領域に集中しがち。時間もコストもかかる「モノづくり(ハードテック)」のスタートアップは、特に創業初期(シード・アーリー期)の壁は高く、困難な挑戦とされてきた。その領域への投資に東京圏以外から果敢に挑むベンチャーキャピタル(VC)がMonozukuri Ventures(MZV)だ。

生成AIの登場に加えて、金融引き締めによる資金調達の難しさ、イグジット環境の変化など……スタートアップをめぐる環境は大きく変化している。週刊東洋経済の恒例特集「すごいベンチャー」を連載化。連載の一覧はこちら

京都駅から北西に約3km、京都市中央卸売市場の西側に広がる朱雀宝蔵町・梅小路エリアには、スタートアップや若手芸術家、クリエーターが入居する空き家をリノベーションした施設や住宅が集まっている。その一角にMonozukuri Venturesはある。

同社は、いわゆるモノづくりや製造といったハードテック企業を投資対象とする独立系VCだ。2つのファンドを組成し、主に日米の設立間もないシードやアーリー段階のスタートアップへの投資を行っている。

ビジョンには、「『Monozukuri』を通じて世界中の起業家をつなげることで、一人一人の志や想いが社会を変え、起業家が輝ける社会をつくる」を掲げ、京都から世界・グローバルへの展開を目指す。投資だけでなく、試作量産のモノづくり支援、事業開発のオープンイノベーションなど、多様なステークホルダーを巻き込んだ事業も展開している。

牧野成将代表にMZVの特徴や今後の戦略について聞いた。

<概要>
[社名]Monozukuri Ventures
[住所]京都府京都市下京区
[代表者]牧野成将
[ファンド数]2
[従業員数]20(業務委託、パート含む)

「投資」ではなく「支援」から

――なぜモノづくりに特化しているのでしょうか。

20年ほどVC業界に関わっており、前職ではシリコンバレーのスタートアップに投資をするVCに所属していた。シリコンバレーには魅力的なスタートアップが多いが、それ以上に投資家も多く、スタートアップがVCを選べるような状況にあった。

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