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高級車オーディオ"最後発ヤマハ"が躍進の舞台裏…なぜ三菱「アウトランダー」はBoseでなくヤマハを選んだのか、トヨタ「センチュリー」にも採用

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ヤマハでは車種ごとに音響空間をゼロから設計、音響に関わる半導体も内製する(写真:編集部撮影)

「クルマ好きは音響にもこだわる」――。そう言われながらもブランド車載オーディオの世界は、長らくハーマン「JBL」とBoseの2強によるほぼ寡占が続いてきた。

実績が強みとなる車載市場に最後発として割って入ったのが、楽器大手のヤマハだ。市場参入から5年で、高級車を中心に18モデル(2025年12月時点)に採用されている。

ヤマハの飛躍を印象付けたのが、25年にマイナーチェンジされた三菱自動車の最上級SUV「アウトランダー」に採用されたことだった。長年搭載されてきたBoseの座を、ヤマハが射止めたのだ。オーディオ分野での知名度は高いものの、車載向けでは最後発のヤマハが選ばれたのはなぜか。その背景には、後発ならではの戦略があった。

半導体ビジネスでノウハウ蓄積

ヤマハの車載オーディオ事業は、1980年代から展開してきた半導体ビジネスに端を発する。電子楽器用LSIの内製化に始まり、PC用ICや、携帯電話向けの着信メロディ用ICを展開してきた。

ヤマハ音響事業本部モビリティ―ソリューション事業部長の荻野渉氏は、水上バイク搭載のオーディオ展開にあたり浜名湖で小型船舶免許を取得したという(写真:編集部撮影)

2010年代に入ると、オーディオや画像の信号処理に使われる半導体「DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)」の販売を自動車関連メーカー向けに拡大させて、車内外の警告音開発なども手がけてきた。

着実に車内空間におけるオーディオのノウハウを蓄積してきたが、理想の音を完成させるにはスピーカーやアンプ、回路基板を含めた一体設計が必要だった。ヤマハのモビリティソリューション事業部長の荻野渉氏は「半導体を供給するだけでは、理想の音作りのすべては実現できないというジレンマがあった」と振り返る。

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