ピアノやギター、管楽器などを展開する世界唯一の総合楽器メーカー、ヤマハ。中国市場などの開拓を進め、2010年代以降、着実な成長を遂げてきた。一方、2023年度は円安効果で売上高4628億円(前期比2.5%増)と増収だったものの、中国の低迷長期化を受け生産体制の再編に伴う構造改革費を計上、純利益については前期比22%減の296億円に落ち込んだ。経営環境が急変する中、楽器業界の盟主は新たにどのような成長ストーリーを描くのか。4月に就任した山浦敦社長に聞いた。
――中国市場の低迷が楽器業界への逆風となっています。
中国市場は大きな転換期を迎えている。昨年の1年間、中国の販売子会社の代表を務めた際、楽器市場の大きな変化を目の当たりにした。
特に、中国政府の教育政策の変化が大きな影響を及ぼしている。「双減政策」という学校や塾の学習負担を軽減する政策が進められ、習い事や課外授業に対する規制が強化されたことで、教育向けの楽器需要が減退した。
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