ロックの神様不在でも「フェンダー」はなぜスゴい 東京・原宿の旗艦店は来客数が尻上がりに増加
――旗艦店のオープンから1年が経ちました。
「FENDER FLAGSHIP TOKYO」に対する反響は素晴らしく、売り上げも好調だ。昨年のオープン以来、約35万人が訪れた。来店客の約7割が日本人で、最近は海外からの訪日観光客も増えており、中国、韓国、シンガポールなどからの来客が多い。
そして、多くのリピーターが何度も足を運んでくれている。ギターを買うのはまだ早いが、カフェで食事やお酒を楽しんだり、フェンダーのTシャツをお土産として購入したりするなど、利用シーンは多岐にわたる。この店がリラックスして落ち着ける場所と評されている証しだ。
日本のギター市場を広げた
――来客は想定以上でしたか。
これだけ継続的に来客数が伸びているのは信じられない。当初は大きな嵐が来て、その波が引き、横ばいになると予想していた。ところが、最初の数カ月と比べても、今のほうが来客数が増えている。
旗艦店は(家賃を考慮しても)ちゃんと利益が出ている。さらに特筆すべきは、旗艦店の出店の後に、国内の正規代理店の売り上げが前年同期比15~25%増えていることだ。旗艦店によって代理店のビジネスを奪ったわけではなく、日本のギター市場を広げることができた。
――なぜ、創業地のアメリカではなく、日本に出店したのでしょうか。
日本には洗練された審美眼を持つ消費者が多く、優れた小売り環境がある。だから私はフェンダーに入社したときに、東京に旗艦店を作るべきだと推薦した。
私は、ラルフローレン・ジャパンに勤め、長らく日本人を顧客として仕事をしてきた。そこで学んだのは、日本の消費者とうまく接することができれば、世界中のどの地域でもそれができるということ。
日本人はブランドに対して非常に忠実で、知識も豊富である。上級者やコレクターも多い。旗艦店のコレクションは世界中のどこよりも豊富で、高度な演奏技術に対応したハイエンドな製品を多く取り扱っている。
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