ロックの神様不在でも「フェンダー」はなぜスゴい 東京・原宿の旗艦店は来客数が尻上がりに増加

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「フェンダー・プレイ」はギターやベースの初心者が、オンライン上で演奏を学習できるサブスクサービス。ギターを始めた人の約9割は1年以内に挫折してしまうという調査結果から「ギターを続ける手助け」として、リリースされた。2017年にアメリカなどで提供を開始し、2022年にはアプリでの利用が可能となった。今後日本語版のリリースも検討中。

――音楽の嗜好が変わり、「ギター離れ」も指摘されています。

ギターで表現できる音、演奏できるジャンルは多岐にわたる。エフェクトを混ぜて演奏することもでき、可能性は無限大だ。心の中にある創造性や頭の中にある創造性を、他の楽器よりずっと簡単な方法で表現できるのではないか。

ロックの神様はもういないように見えるが、ギターヒーローは健在だ。表現方法が異なるだけで、今日の音楽界は依然として、ギターによって大きく動かされている。

エントリーモデルで初心者や若年層を取り込む

――アジア市場とどう向き合いますか。先進国とは売れ筋も異なります。

アジア市場は急成長しており、収益性も非常に高い。その中には発展途上の地域もある。インドネシア、マレーシア、フィリピンなどだ。そこでは若者たちがエントリーモデルのギターを新たに手にし、演奏している。

「『フェンダー Made in Japan』は世界で人気が高い。私が初めて手にしたギターも日本製だった」(撮影:梅谷秀司)

特に、「スクワイア・ブランド」や、「フェンダー・イン・メキシコ」などが売れ筋だ。プライスポイントは300ドルから500ドル程度。これらの製品は、同じ部品構造、デザインを用いることで、エレキギターとしては非常に手ごろな価格を実現できている。

アジアは今後、フェンダーにとって最大の市場になるに違いない。日本のJポップや韓国のKポップは世界に広がった。インフルエンサーがたくさんいる。中国のアーティストも世界で人気がある。アジアの音楽産業はこれからも発展するだろう。

中国はアメリカに次いで世界第2位の市場規模を誇る。その次が日本だ。中国市場に参入したのは10年前だが、そのときと比べて売り上げは14倍以上にまで成長している。まだ成長の途上にあり、私たちはギターのNo.1ブランドとして、絶対的なマーケットリーダーでありたいと考えている。

山下 美沙 東洋経済 記者

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やました みさ / Misa Yamashita

精密・ロボット業界を担当。山梨県韮崎市出身。神戸大学経済学部を卒業。2024年、東洋経済新報社入社。スマート農業、工作機械にも関心。最近は都内の立ち食いそば店を開拓中。

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