日傘を差し続けて50年、87歳の元祖“日傘男子”が沖縄にいた!「利用促進パレード」まで開催する熱意のワケが意外と深かった

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渡口彦邦さん
日傘を50年以上前から差し続けている渡口彦邦さん(筆者撮影)
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夏になると無意識に口に出しているであろう「暑い」の言葉。そうだ、実際に暑いのだ。全国的には35度前後まで上がるのはもはや当たり前。7月24日にはなんと北海道各地で40度近い最高気温を記録した。携帯扇風機に空調服、ネッククーラーなどの比較的新しい防暑グッズも存在感を増しているが、中でも古くからある“伝統派”の防暑グッズが日傘だろう。

最近では男性の日傘も市民権を得つつあるが、どちらかと言えば女性の持ち物だという印象が根強かった日傘を、50年以上前から差し続け、ついには「日本日傘男子協会名誉顧問」の称号を手にした男性がいる。

沖縄県那覇市で「渡口万年筆店」を営む渡口彦邦さん(87)。渡口さんは「『日傘男子』という新しい言葉が流行っているようだけどね、一遍日傘差してごらんよ。その良さが誰でもすぐ分かるよ」。

日傘を初めて手にしたその日から渡口さんと日傘は一心同体。一回も忘れたり失くしたりしたことなど、無い。

「日傘を差して胸を張れば偉人に見える」

渡口さんが時代に先駆けて「日傘男子」になったきっかけは何だったのだろうか。50年以上前、自宅から職場に向かう時に歩いていた道は、雨宿りすることができないような場所だった。というのも、その一帯が米軍の「牧港住宅地区」(現在の那覇新都心)だったため、道沿いはフェンスばかり。傘を持たずにずぶ濡れで困っていた若き日の渡口さんは、ふと道の向こうに傘を差して悠々と歩く人の姿を見た。毎日傘を持てば良いんだと気づいた。

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