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ベネズエラ侵攻は「多極化」への移行を決定づけた、トランプ政権の狙いは米中日印露で「C5」を設立して多極化の新秩序を作ること

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ジム・オニール氏(写真:ブルームバーグ)

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2025年12月31日に配信したプロジェクト・シンジケートのコラムで、作家のジェンマ・チェンガー・デンと筆者は「西側社会は多極化への準備をするべきだ」と訴えた。世界をアメリカ、中国、ロシアを中心に3つのブロックに分割するように求めるアメリカの新しい国家安全保障戦略を踏まえ、旧来の国際秩序に見切りを付ける必要性が高いと主張した。

26年が始まったばかりの1月3日、ドナルド・トランプ大統領は、旧来の国際秩序がまだ救えると信じている人たちの足元をすくう行動に出た。ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を捕らえるための深夜の襲撃は、私たちがすでに新しい時代に入ったことを見せつけた。

外交辞令に隠れる時代は終わった

チェコ・プラハに本拠を置く国際的NPO「プロジェクト・シンジケート」は多くの有力者の論評・分析を配信しています。「グローバルアイ」では、同シンジケートのコラムから厳選して翻訳・配信。本文内の敬称略

トランプ政権は、国際法や交戦規則を無視し、自らの「正義」の定義に基づいて好き勝手に行動する姿勢を示している。つまり西側諸国は現実を見据え、形式的な外交辞令に隠れるのをやめなければならない。アメリカの古くからの友邦・同盟国は、国際社会における自らの立場を明確に示す必要がある。空虚な決まり文句ではもはや通用しないのだ。新たな経済的・地政学的・外交的現実が、週を追うごとに鮮明になりつつある。

特に2026年は、筆者がBRICs(当初はブラジル、ロシア、インド、中国を指す)という略語を提唱した論文発表から25周年にあたる。これらの国々の重要性を主張した根拠は、決して新しい投資対象ということなのではない。むしろ、新興経済が存在感を高めていることを受けて、より公平で効果的なグローバルガバナンスを確立することの必要性を訴えた。

例えば、欧州統合の実現と単一通貨の誕生後も、なぜフランス、ドイツ、イタリアが主要な国際ガバナンス機関において依然として個別に代表されるべきなのか、を問うた。それらの国々が席を占め続けることで、国際的な重要性が今後も増し続けるであろう他の国々の席を奪うケースにおいてはなおさらである。

25年前からして、これらの欧州諸国の相対的な経済的影響力が衰えることは明らかだった。そして今や欧州連合とユーロが数十年にわたり存在している以上、それらがどのような目的を果たしてきたのかを問うのは妥当である。なぜ欧州諸国は、産業が生産性の向上を実現し、最終的により高い生活水準を支えるための規模の経済を創出するために必要な措置を講じてこなかったのか。

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