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イランとの戦争を不可避にした「2018年の決定」。核合意を破棄した第1次トランプ政権、戦争への道はそこから始まった

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2018年5月8日、トランプ大統領はイランの核開発計画を抑制するための2015年の画期的な合意からアメリカが離脱してイランに対する金融制裁を再開すると発表し、大統領覚書に署名した(写真:Bloomberg)

イランとの戦争が世界の安全保障環境とエネルギー市場を一変させた。その中で、アメリカ国内の議論は「トランプ大統領はなぜ戦争を選んだのか」という点にかなりの部分終始している。

国内政治が影響したのか。力を見せつけたかったからなのか。それとも誤算、もしくはほかの何かが影響したのか——。

そのような議論にも意味はあるだろう。しかし、それに終始すると背後にある根本原因を見えにくくする危険がある。

この戦争は突然の決定というより、衝突以外の選択肢が徐々に取り除かれていくという地政学的なプロセスが積み重なった結果だ。爆撃が始まる前の段階で、戦争を決定づける選択はすでになされていた。

種をまいた2018年のイラン核合意離脱

そうした選択の1つが、第1次トランプ政権による2018年のイラン核合意からの離脱だった。

チェコ・プラハに本拠を置く国際的NPO「プロジェクト・シンジケート」は多くの有力者の論評・分析を配信しています。「グローバルアイ」では、主に同シンジケートのコラムの中から厳選して翻訳・配信しています

包括的共同作業計画(JCPOA)と呼ばれるイラン核合意は、イランの核開発を制限する目的で締結されたものだが、トランプは当時、経済的な圧力を通じてさらに強力な合意を引き出すには同合意を破棄する必要があると主張した。

アメリカはその後、イランを力ずくで交渉の席に着かせるべく、イラン経済を痛めつけた。

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